(一社)ダイバーシティ就労支援機構は、日本財団からの委託を受けWORK! DIVERSITYプロジェクトの一環として、生活困窮者自立支援制度のうち就労支援の事業である就労準備支援事業と認定就労訓練事業(注)がどのような取り組みをし、またどのような課題を抱えているかを調査しました。
その結果、就労準備支援事業、認定就労訓練事業を実施する機関の半数~4割が運営上の問題があると認識していることがわかりました。また、就労準備支援事業については4割の機関が事業受託前の就労支援の経験がないが、そうした機関は受託前から就労支援を行っていた機関に比べ受け入れ実績、就職率において劣っていることが明らかになりました。
調査及び調査結果の概要は以下の通りです。

 1.調査の概要

 2.調査結果の概要
  (1) 就労準備支援事業
  (2) 認定就労訓練事業

 3.調査結果

(注) 厚生労働省ウェブサイトより
就労準備支援事業 ~ 社会、就労への第一歩。
 「社会との関わりに不安がある」、「他の人とコミュニケーションがうまくとれない」など、直ちに就労が困難な方に6カ月から1年の間、プログラムにそって、一般就労に向けた基礎能力を養いながら就労に向けた支援や就労機会の提供を行います。
就労訓練事業 ~ 柔軟な働き方による就労の場の提供。
 直ちに一般就労することが難しい方のために、その方に合った作業機会を提供しながら、個別の就労支援プログラムに基づき、一般就労に向けた支援を中・長期的に実施する、就労訓練事業(いわゆる「中間的就労」)もあります。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000073432.html

1.    調査の概要

(1) 調査の目的

 WORK! DIVERSITY政策実現会議の議論に資するため、生活困窮者自立支援制度の就労準備支援事業及び認定就労訓練事業の実態調査を行う

(2) 調査対象

  就労準備支援事業実施機関(直営・委託先) 約1000事業所
  認定就労訓練事業(委託先) 約2200事業所
  調査は法人単位とし、一つの法人が複数の事業所を運営している場合は法人として一の回答を求めた

(3) 調査方法

  郵便により調査を依頼し、Google Formsで回答を収集する

(4) 調査時期

  2024年7~8月

(5) 調査内容

  実施機関のプロファイル、実施体制(スタッフ等)、運営状況、運営費の賄い方、課題等

(6) 回答状況

  送付   2735
  回収    528
  有効回答 368(注)

(注)
就労準備支援事業を実施していないとみられるにもかかわらず実施していると回答する事業所や、就労訓練事業の認定を受けながら認定就労訓練を実施していないと回答する事業所が多く、これらを有効回答から除外した結果、回収数に比べ有効回答が少なくなった。

2.    調査結果の概要

(1) 就労準備支援事業

約4割の機関が事業開始時に就労支援の経験をもたなかった(事業受託後就労経験を持つ職員を配置した機関を含む)

利用者は長期失業者、対人関係等に不安がある者、何らかの障害を抱えているとみられるもの、ひきこもりが多い

事業受託時に就労支援の経験のあった事業所に比べ、就労支援の経験のなかった事業所は、利用実績が少なく、就職率も低い

約半数の機関が、運営上の問題があるとしている
課題・改善を要する点として最も多いのは「就労体験先企業の確保」であり、次いで「就職等の成果につながりにくい」「利用者の確保」「求人開拓」を挙げる機関が多い

(2) 認定就労訓練事業

年間の利用者0とするところが多い

認定就労訓練は雇用型と非雇用型があるが非雇用型が6割、2割が雇用型と非雇用型の両方を受け入れている

就職率は0と80~100%に二分され平均は52%
就職者中、訓練を行った企業への就職割合も0と80~100%に二分され平均では32%

実施上の問題があるとする機関は約4割
実施上の課題としては「職場の負担」「運営資金の確保」「利用者の確保」に加え「認定就労訓練の地域での理解」があげられている
受入れがない機関では「利用者の確保」「認定就労訓練の役割の地域での理解」をあげる者が特に多い

3.    調査結果

調査結果の詳細については以下を参照してください

就労準備支援事業・認定就労訓練事業の実態に関する調査結果
集計結果表
自由記述